特許のクレームって何?
大変! 僕の特許がクレームを受ける!?
クリエ先生、大変です!
クレームです!クレーマーですよ!!
今日も騒がしいわね。
あんまり騒ぎすぎてクレームを受けたの?
違いますよ~~;;
僕の作った「ぱてん太式作業台」で特許を取ろうと思ってゼミの先輩に相談したんです。
そしたら…
お前、特許を取るって言っても、クレームはどうするつもりなんだ!?
なんて言うんですよ!
ひどいと思いませんか?
「ぱてん太式作業台」は、間違いなく僕のオリジナルなのに…
クレームとは、請求する特許権の範囲のこと!
あぁ、そういうことか。
確かに知らないと、苦情や文句のことかと思って身構えるのも無理ないわね。
端的に言うと、クレームって特許庁に請求する特許権の範囲のことなの。
クレーム(特許請求の範囲)とは、特許出願人が、特許を受けようとする発明を特定するために必要な事項を記載したものであり、特許された後に権利範囲を定める基準となるものです。
http://www.kjpaa.jp/qa/46438.html
なーんだ、誰かがクレームを入れてくるわけじゃないんですね。
良かった~~。
日本では「クレーム」っていう言葉は、苦情や文句の同意語みたいに使われているわね。特に「クレーマー」と呼ぶときには、根拠のない苦情をゴリ押しして来る人ってニュアンスがあるわ。
でも、英語の “Claim” っていう単語は本来、「主張する」とか「請求する」という意味があるの。
特許請求の範囲を「クレーム」と呼ぶのは、これに由来しているの。
なるほど。
特許にならなかったらクレーム入れるぞ! ってことなんですね!!
ぱてん太くん、ちゃんと聞いてた…?
クレームの役割って?
特許侵害かどうかはどう決まる?
特許侵害はクレームに基づいて判断
ぱてん太くん、ちょっとそこに座って。
クレームの大切さを叩き込んであげるわ。
あ…はい、分かりました…
(なんか懐かしいこの感じ…)
そもそも特許権を取ったとして、何の役に立つと思う?
そりゃあお金儲けですよ!
僕の「ぱてん太式作業台」をパクったヤツがいたら、損害賠償やライセンス料をガッポガッポとふんだくってやります!
…まあいいわ。
じゃあ、特許権が侵害されたかどうかは、どうやって判断するの?
え!?
そりゃあ…僕の作った作業台がコピーされて売られていれば一目瞭然ですよ。色々試行錯誤して作り上げた、いわば僕の子供みたいなもんですから。
うーん、気持ちは分かるけどちょっと違うんだな~。
実は、ここでクレームがポイントになるの。特許法は、製品がクレームに当てはまる場合は侵害だと定めているわ。
特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。
特許法第70条第1項
オール・エレメント・ルール(権利一体の原則)
そして、クレームに書かれている構成要件のすべてが実施されているときに限って、特許権が侵害されていると言えるの。
逆に、クレームの構成要件のうち、一つでも当てはまらないものがあれば、原則としてその製品は非侵害となるわ。
これは「オール・エレメント・ルール」とか「権利一体の原則」とか呼ばれる、特許法の基本的なルールなの。
なんだか、難しい話になってきましたね…
例えば、下の表を見てくれる?
左側がぱてん太くんの特許のクレームの構成要件、右側がぱてん太くんの製品によく似た製品の構造を言葉で表したものだと思ってね。
特許のクレームの構成要件 | 侵害(?)製品の構造 |
Aと、 | Aと、 |
Bと、 | Bと、 |
Cと、 | Dと、 |
を有する製品。 | を有する製品。 |
見ての通り、特許のクレームには「C」という構成要件があるわね。
でも類似品の構造には「C」が無くって、その代わりに「D」という構成要件が入っているの。
つまり…!?
オール・エレメント・ルールにより、「非侵害」ですね。
よくできました♪
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